2017年05月11日

ラシーダ姫の贈り物

女の子に人気、プレンセス・シリーズのお話の中から、ラシーダ姫のお話を、尊敬するシスターが訳してくださいました!
丁寧な解説もつけてくださっています。
ジャザーハッラーフハイラン!
絵本をお持ちの方は、ぜひご活用ください♪
(注:原作からあえて内容を変えてある部分があります。)

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P3
ビスミッラーヒッラフマーニッラヒーム(びすみっらーひっらふまーにっらひーむ)
バラ(ばら)の花々(はなばな)が咲き始める(さきはじめる)頃(ころ)、イスラーム(いすらーむ)の国(くに)のバラカ(ばらか)宮殿(きゅうでん)では、かわいらしい女(おんな)の赤ちゃん(あかちゃん)が産まれました(うまれました)。
アッラー(あっらー)の99の美名(びめい)を愛して(あいして)いた王様(おうさま)とお妃(おきさき)様(さま)は、その中(なか)でも一番(いちばん)好き(すき)なお名前(おなまえ)「ラシード(らしーど)(善く(よく)導かれる(みちびかれる)御方(お))」から、その女(おんな)の子(こ)に、プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)という名前(なまえ)をつけました。

P4
プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、本(ほん)を読む(よむ)のが大好き(だいすき)な、とても頭(あたま)のいい女(おんな)の子(こ)に育ちました(そだちました)。王様(おうさま)とお妃(おきさき)様(さま)は、プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)のことをとてもかわいがっていました。
しかし、プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)には悩み(なやみ)がありました。それは、お兄さん(おにいさん)のハキーム(はきーむ)王子(おうじ)のことです。ハキーム(はきーむ)王子(おうじ)は、両親(りょうしん)が妹(いもうと)のプリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)ばかりかわいがるのでやきもちをやいて、プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)にいつもひどい意地悪(いじわる)をしていたのです。
「ああ、またお兄(おにい)ちゃんが、お父様やお母様に嘘(うそ)をついたのね!私(わたし)が、宮殿(きゅうでん)の物(もの)を盗んだ(ぬすんだ)なんて!!なんてひどい嘘(うそ)!そんなことするわけがないのに。お兄(おにい)ちゃんは私(わたし)にいつも意地悪(いじわる)ばかり。あんなお兄(おにい)ちゃん、いなくなればいいのに。」
プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、ひとり悲しみ(かなしみ)に暮れました(くれました)。

P7
今晩(こんばん)は、ハキーム(はきーむ)王子(おうじ)が王様(おうさま)から王子(おうじ)としての大事(だいじ)な仕事(しごと)を任せられる(まかせられる)即位式(そくいしき)のパーティ(ぱーてぃ)です。みんな、ハキーム(はきーむ)王子(おうじ)へのプレゼント(ぷれぜんと)を用意(ようい)するのに夢中(むちゅう)でしたが、プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、友達(ともだち)のファーティマ(ふぁーてぃま)に言いました(いいました)。

「ねぇ、ファーティマ(ふぁーてぃま)、今晩(こんばん)のパーティ(ぱーてぃ)、、、、私(わたし)、どうしても出たく(でたく)ないの。あんな意地悪(いじわる)なことをするお兄(おにい)ちゃんのパーティ(ぱーてぃ)に出なく(でなく)たって、当然(とうぜん)でしょ。私(わたし)、絶対(ぜったい)お兄(おにい)ちゃんを許す(ゆるす)ことなんてできないんだから!」
ファーティマ(ふぁーてぃま)は言いました(いいました)。
「そうね、、、でも、アッラー(あっらー)にお尋ね(おたずね)してみるのが一番(いちばん)いいと思う(おもう)わ。イスティハーラ(いすてぃはーら)の礼拝(れいはい)※をしてみたら?」

※イスティハーラ(いすてぃはーら)の礼拝(れいはい):何(なに)かを決断(けつだん)・選択(せんたく)する際(さい)に、アッラー(あっらー)に最善(さいぜん)のものをお願い(おねがい)するための礼拝(れいはい)。2(2)ラカート(らかーと)の任意(にんい)の礼拝(れいはい)をして、決まった(きまった)ドゥアー(どぅあー)を唱える(となえる)。『ム(む)スリム(すりむ)の砦(とりで)』p68参照(さんしょう)

P8
プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、部屋(へや)に戻る(もどる)と、ファーティマ(ふぁーてぃま)のアドバイス(あどばいす)通り(どおり)、ハキーム(はきーむ)王子(おうじ)のパーティ(ぱーてぃ)に出ない(でない)ことについて、アッラー(あっらー)にイスティハーラ(いすてぃはーら)の礼拝(れいはい)をしました。
「アッラー(あっらー)、どうかそれが善い(いい)ことならば簡単(かんたん)にしてください。悪い(わるい)ことならば、遠ざけて(とおざけて)ください。」

プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)がドゥアー(どぅあー)を言い終わった(いいおわった)途端(とたん)、ベランダ(べらんだ)に、いつもの小鳥(ことり)がやって来て(きて)、必死(ひっし)に大きな(おおきな)鳴き声(なきごえ)で鳴き出しました(なきだしました)。
「あら、今日(きょう)はなんだか様子(ようす)が変(へん)だわ。すごく必死(ひっし)に鳴いて(ないて)、私(わたし)に何(なに)かを知らせよう(しらせよう)としているみたい。。。もしかしたら、アッラー(あっらー)からの知らせ(しらせ)かもしれないわ。小鳥(ことり)の後(あと)に、ついて行って(いって)みましょう。」

P11
プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)が、小鳥(ことり)の後(あと)について行く(いく)と、夜(よ)がすっかり暮れて(くれて)しまいました。暗闇(くらやみ)の中(なか)で、小鳥(ことり)がひとつの枝(えだ)に止まるのが見えました(みえました)。そして、その下(した)には、覆面(ふくめん)をした二人(ふたり)の男(おとこ)が、声(こえ)を潜めて(ひそめて)話し合って(はなしあって)いました。
「おい、今晩(こんばん)の王子(おうじ)のパーティ(ぱーてぃ)で、必ず(かならず)王子(おうじ)を仕留める(しとめる)のだぞ。」
「もちろん、準備(じゅんび)は万端(ばんたん)だ。鉄(てつ)の矢(や)で、王子(おうじ)の胸(むね)を打ちぬいて(うちぬいて)やるさ。」
「王子(おうじ)に王位(おうい)を継承(けいしょう)させるわけにはいかない。絶対(ぜったい)にしくじることは許されない(ゆるされない)ぞ。」
プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、震えながら(ふるえながら)その場(ば)を動く(うごく)ことができませんでした。
「お兄(おにい)ちゃんが今晩(こんばん)、殺されちゃう(ころされちゃう)・・・どうしよう・・意地悪(いじわる)なお兄(おにい)ちゃんなんて、いない方(ほう)がいいって思って(おもって)いたけど、、、
いいえ、やっぱり、私(わたし)はアッラー(あっらー)が喜ぶ(よろこぶ)ことをしたい!お兄(おにい)ちゃんを助けなきゃ(たすけなきゃ)!」

P12
プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、良い(よい)考え(かんがえ)を思いつきました(おもいつきました)。鉄(てつ)の矢(や)に負けない(まけない)大きな(おおきな)磁石(じしゃく)のペンダント(ぺんだんと)を作って(つくって)、王子(おうじ)にプレゼント(ぷれぜんと)することにしたのです。
「アッラー(あっらー)は、クルアーン(くるあーん)で、悪い(わるい)ことをされたら、良い(いい)ことで返す(かえす)ように、と教えて(おしえて)くださったわ※。だから、このペンダント(ぺんだんと)をお兄(おにい)ちゃんにあげよう、インシャーアッラー(いんしゃーあっらー)。」

プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、お祈り(おいのり)の後(あと)、必死(ひっし)にアッラー(あっらー)にドゥアー(どぅあー)しました。
「アッラー(あっらー)、どうか、このペンダント(ぺんだんと)でお兄(おにい)ちゃんをお守(おまもり)ください。アッラー(あっらー)、私(わたし)はあなたのことが大好き(だいすき)です。だから、これまでお兄(おにい)ちゃんがした意地悪(いじわる)を私(わたし)は全部(ぜんぶ)許しました(ゆるしました)。どうかお兄(おにい)ちゃんを助けて(たすけて)あげてください!!」
プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)の目(め)から涙(なみだ)がこぼれ落ちました(おちました)。

※クルアーン(くるあーん) フッスィラ(ふっすぃら)章(しょう)41-34【善(ぜん)と悪(あく)とは同じ(おなじ)ではない。(人(ひと)が悪(あく)をしかけても)一層(いっそう)善行(ぜんこう)で悪(あく)を追い払え(おいはらえ)。そうすれば、互い(たがい)の間(あいだ)に敵意(てきい)ある者(もの)でも、親しい(したしい)友(とも)のようになる。】

P15
パーティ(ぱーてぃ)が始まる(はじまる)とすぐに、プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、ハキーム(はきーむ)王子(おうじ)に大きな(おおきな)磁石(じしゃく)のペンダント(ぺんだんと)をプレゼント(ぷれぜんと)しました。
人々(ひとびと)は、真っ黒(まっくろ)な重たい(おもたい)ペンダント(ぺんだんと)を見て(みて)、ひそひそと話し(はなし)をしました。
「見て(みて)見て(みて)!プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)ったら、よっぽどハキーム(はきーむ)王子(おうじ)のことが嫌い(きらい)なのね。大事(だいじ)なパーティ(ぱーてぃ)で、あんな醜い(みにくい)ペンダント(ぺんだんと)をさせて王子(おうじ)に恥(はじ)をかかせるなんて、なんてひどい妹(いもうと)なの!」
「ほんと!王子(おうじ)がかわいそう!あんな重い(おもい)ペンダント(ぺんだんと)、首(くび)が折れちゃう(おれちゃう)わ。やっぱりプリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は意地悪(いじわる)で性格(せいかく)が悪い(わるい)わね。」
プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、みんなの声(こえ)が聞こえて(きこえて)いました。
「アッラー(あっらー)は本当(ほんとう)のことを知って(しって)いるから大丈夫(だいじょうぶ)」プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、自分(じぶん)に言い聞かせる(いいきかせる)と、王子(おうじ)に向かって(むかって)笑顔(えがお)を作りました(つくりました)。
しかし、ハキーム(はきーむ)王子(おうじ)も、人々(ひとびと)の声(こえ)を聞いて(きいて)いました。
「やっぱりプリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、私(わたし)のことが嫌い(きらい)なんだ。こんなひどいプレゼントをくれるなんて、、、」
するとその時(とき)です。

P17
「王子(おうじ)の命(いのち)は、もらったぞ!」
弓矢(ゆみや)を持った(もった)男(おとこ)が、ハキーム(はきーむ)王子(おうじ)の前(まえ)に躍り出る(おどりでる)と、王子(おうじ)に向かって(むかって)弓(ゆみ)を放ちました(はなちました)。

シューーーーッ(しゅーーーーっ)!!!弓矢(ゆみや)がまっすぐに王子(おうじ)の胸(むね)をめがけて飛んで(とんで)来ました(きました)。

一瞬(いっしゅん)の出来事(できごと)に、誰(だれ)もその場(ば)を動く(うごく)ことができません。

P19
その時(とき)、思い(おもい)もかけないことが起こりました(おこりました)。

「カキーン(かきーん)!!」

鉄(てつ)の矢(や)が、プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)のあげた大きな(おおきな)磁石(じしゃく)のペンダント(ぺんだんと)に吸い寄せられて(すいよせられて)、ペンダント(ぺんだんと)の真ん中(まんなか)に命中(めいちゅう)したのです。

アルハムドゥリッラー(ある)、ハキーム(はきーむ)王子(おうじ)は、一(いち)命(めい)をとりとめました。

P20
すぐに警備員(けいびいん)が、男(おとこ)を捕まえました(つかまえました)。
「くそっ!あんなペンダント(ぺんだんと)さえなければ、矢(や)は命中(めいちゅう)していたのに!!」男(おとこ)は悔しそう(くやしそう)に叫びました(さけびました)。
人々(ひとびと)は、プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)のプレゼント(ぷれぜんと)を悪く(わるく)言った(いった)ことを後悔(こうかい)しました。

「アルハムドゥリッラー(ある)、プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)のペンダント(ぺんだんと)が王子(おうじ)の命(いのち)を救った(すくった)わ。アスタグフィルッラー(あすたぐふぃるっらー)。アッラー(あっらー)ごめんなさい。プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)になんてひどいことを言って(いって)しまったのかしら。本当(ほんとう)に私たち(わたしたち)が間違って(まちがって)いたわ。」

ハキーム(はきーむ)王子(おうじ)もプリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)にあやまりました。

P22
「プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)、本当(ほんとう)に今(いま)まで私(わたし)が間違って(まちがって)いました。どうか私(わたし)の今(いま)までの悪い(わるい)行い(おこない)を許して(ゆるして)おくれ。プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)、私(わたし)の命(いのち)を救って(すくって)くれて、本当(ほんとう)にありがとう。お前(おまえ)は、世界(せかい)で一番(いちばん)すばらしい妹(いもうと)だ。」

プリンセス(ぷりんせす)・ラシーダ(らしーだ)は、ハキーム(はきーむ)王子(おうじ)のことをもうとっくに許して(ゆるして)いました。
「お兄(おにい)ちゃん、もういいのよ。アルハムドゥリッラー(あるはむどぅりっらー)、アッラー(あっらー)がお兄(おにい)ちゃんの命(いのち)を救って(すくって)くれたことに感謝(かんしゃ)します。アッラー(あっらー)がクルアーン(くるあーん)で教えて(おしえて)くださったことは本当(ほんとう)だったわ。これからは、世界(せかい)で一番(いちばん)仲(なか)のいい兄弟(きょうだい)になれそうね。」
二人(ふたり)は初めて(はじめて)心(こころ)の底(そこ)から笑い合いました(わらいあいました)。

バラカ(ばらか)宮殿(きゅうでん)に、二人(ふたり)の笑い声(わらいごえ)が響き(ひびき)、国中(くにじゅう)の人々(ひとびと)は、二人(ふたり)の仲直り(なかなおり)を祝福(しゅくふく)してみんなで喜び合いました(よろこびあいました)。

PDF版ダウンロード→プリンセスラシーダ.pdf
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