2012年04月16日

A Prayer At Bedtime おやすみまえのいのり

今日、紹介するのは、我が家の長男の大好きな絵本、『A Prayer At Bedtime(おやすみまえのいのり)』です。
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アブドゥッラーはお庭で遊ぶのが大好き。
でも、いつも庭にやってくる近所のネコだけは気味が悪くて怖がっていました。
ある夜、アブドゥッラーは怖い夢を見ます。大好きなおじいちゃんから、寝るときのドゥアーを言うといいよ、をもらいますが、アブドゥッラーはなかなか覚えることができませんでした。
そして、その夜も、その次の夜もまた怖い夢・・・・。
最後に家族からの励ましを受けて、ドゥアーを覚えます。
素敵なイラストの、心温まる家族のストーリーです。
途中、怖い描写が出てくるのが子供の興味心をくすぐるのか、長男のお気に入りの一冊で、いつも読むのをせがまれます。

こちらが訳です。
(ワード・ファイルはこちら→おやすみまえのいのり.docx


おやすみまえのいのり


(p・6)
アブドゥッラーはとてもよいこです。アブドゥッラーは、まいにち、おうちのにわであそびます。そして、アブドゥッラーのおにわのうつくしいこと!マーシャーアッラー。まっかなリンゴがえだからぶらさがるリンゴのき、シャキシャキしたナシがなるナシのき。たくさんのみどりや、おはなにもあふれています。アブドゥッラーのおじいちゃんとおかあさんが、ぶあついてぶくろをはめて、おもくてさびついたシャベルをつかい、おにわのせわをします。

(P.8)
ひらひらとまうチョウチョに、はいつくばってあるくクモ、ねばねばしたナメクジに、ブンブンとびまわるハチ。アブドゥッラーは、このおにわで、ニョロニョロうごくミミズをほりだしてみたり、はっぱをムシャムシャたべるアオムシのようすをみたり、とりにえさをあげたり、おおいそがしです。アブドゥッラーにとってたのしいことでいっぱいでした・・・あのネコのことをのぞけば。それは、きんじょにすむネコでした。おおきくて、けがフサフサで、みどりいろのめをした、ながーいひげと、するどいつめのネコ。

(p・10)
あるひ、アブドゥッラーが、おにわであそんでいたときのこと。アブドゥッラーがボールをはねているのを、ネコがじっとみつめていました。ネコのみどりいろのめは、ボールをじっとみつめ、そのヒゲはヒクヒクうごいていました。

とつぜん、ネコは、ボールのほうにとびかかってきました。アブドゥッラーはさけびました。

「ママ!」アブドゥッラーはハアハアしながら、いえのなかにかけこみました。

「アブドゥッラー、ただのネコじゃないの。あなたは、つよいおとこのこでしょう。」おかあさんはいいました。アブドゥッラーは、ネコがこわかったのです。ネコはいつもやってきては、アブドゥッラーのたのしみをだいなしにするのです。

「ぼく、もう、おうちのなかにいるよ、ママ。」アブドゥッラーはいいました。そして、そのあと、いちにちじゅう、アブドゥッラーはいえのなかにいました。

(p・12)
そのよる、アブドゥッラーはねることができませんでした。ベッドのうえで、なんどもねがえりをうちました。ふとんをぐっとだきよせました。アブドゥッラーがへやをみまわすと、へやのかどに、とてもおかしなものがみえました。おもちゃや、ふくのあるばしょに、みどりいろのめがみえました。アブドゥッラーは、きつくめをとじました。そのまま、めをあけませんでした。そのうちに、かわいそうなアブドゥッラーはねてしまいました。

(p・14)
つぎのひのあさ、アブドゥッラーは、すぐにへやをとびでました。そして、おじいちゃんのところにいきました。
「ぼく、きのう、すごくこわいゆめをみたんだよ。おおきなめをして、するどいはと、つめをもった、でっかいネコがでてきたんだ」アブドゥッラーはいいました。
「おお、そうか。」おじいちゃんは、やさしいこえでいいました。
「おまえは、ねるまえのドゥアーをおぼえたほうがいいだろうなぁ。」
「でも、すごくこわかったんだよ。」
「だいじょうぶだ、ドゥアーをいうたびに、おまえはつよいおとこになる。そして、どんなにつよいネコだって、おまえをこわがらせることなんてできなくなるだろう、インシャーアッラー。」おじいちゃんは、にっこりわらいました。
アブドゥッラーはつよいおとこになりたいとおもいました。だから、ドゥアーをおぼえはじめました。
ドゥアーはとてもみじかいものでした:アッラーフンマ ビスミカ アムートゥ ワ アハヤー。
でも、そのとき、おとうさんがくるまをあらっているこえがきこえてきたので、アブドゥッラーはおとうさんのほうへいってしまいました。
「おとうさん、ぼくもてつだっていい?」アブドゥッラーはききました。
「おまえのおねえちゃんもてつだってくれているところだよ。」おとうさんはこたえました。
くるまをあらっているあいだ、アブドゥッラーはみずでビショビショになりました。

(P.16)
アブドゥッラーは、ドゥアーをおぼえなかったので、ねるじかんになってもドゥアーをいうことができませんでした。なんどもねがえりし、ふとんをだきよせたりしました。そのうちに、ねむりはじめました。

ゆめがはじまりました。ぼんやりしていて、あまりはっきりみえませんでした。みずがありました、たくさんのみずが。ぶきみななみのなか、なにかうごくものがありました。それは、サルマでした。
「たすけて!たすけて!」サルマはさけびました。
アブドゥッラーも、みずのなかでおぼれていました。
「たすけて!たすけて!」アブドゥッラーはさけびました。

(P.18)
とつぜん、アブドゥッラーはめがさめました。とてもこわくて、なにがなんだかわからなくなって、ベッドからでて、おねえちゃんのへやへ、はしっていきました。
おねえちゃんをよびながら、なみだがこぼれてきました。サルマがめをさまして、へやのあかりをつけました。
「どうしたの?」サルマがききました。
「ぼく、こわいゆめをみたんだよ・・・おねえちゃんとぼくと・・・みずがあって・・・ぼくたち、あぶなかったんだよ。」アブドゥッラーはすすりなきました。
サルマはアブドゥッラーをだきしめました。
「ばかね、ただのゆめじゃないの。ほんとじゃないでしょ。ほらみて、わたしたち、いまここにいて、なんともないでしょう、アッラーのおかげで。いつもよる、わたしはドゥアーをいうの。そしたら、もっとつよくなれるのよ。アブドゥッラーも、おじいちゃんにおしえてもらって、おぼえたらいいわ。そしたら、こわいゆめはみないし、どんなにおおきななみでさえ、わたしたちをおそうことはないわよ、インシャーアッラー。」

(P.20)
ちょうしょくのあと、アブドゥッラーはドゥアーをおぼえはじめました。
「てつだってやろうか?」おじいちゃんがききました。
「うん、おねがい。」
アブドゥッラーは、おじいちゃんのひざのうえにすわりました。アブドゥッラーは、おじいちゃんのあたたかいえがおと、しろいおひげと、しわしわのてがだいすきでした。
「あのなぁ、アブドゥッラー、アッラーはみんなのことをまもってくれてるんだよ。アッラーは、わしたちにつよくていいにんげんであってほしいとおもってらっしゃる。だから、よるには、ドゥアーをいうんだ。つよくなるためにな。」おじいちゃんがそう、せつめいしました。
つよくていいこらしく、アブドゥッラーはドゥアーをおぼえはじめました。かんたんなことばもあれば、むずかしいことばもありました。アッラーフンマ ビスミカ アムートゥ ワ アハヤー。

(P.22)
そとでは、てんきがかわっていました。そらはくらくなり、つよいかぜがふき、くさをふきとばしていました。きんじょのネコは、ニャアニャアないていました。そして、くだもののきは、まどにあたって、おとをたてていました。アブドゥッラーはまどから、あめがじめんをたたきつけるようにふるのをながめました。
「あらしだ。」アブドゥッラーはおもいました。
そして、そのあらしの、はげしくて、うるさかったこと!

(P.25)
でんきをつけていたので、ちいさなきいろのひかりがへやをてらしていました。アブドゥッラーは、ドゥアーをいおうとしましたが、すこししかおもいだすことができませんでした。「アッラーフンマ・・・アハヤー。」
アブドゥッラーは、なんどもねがえりしては、ふとんをだきよせました。なんども、なんども、がんばりましたが、どうしてもドゥアーをぜんぶおもいだすができませんでした。

アブドゥッラーのからだはつかれてきたのに、あらしのおとで、ねむることができませんでした。
かぜはヒューヒューいい、あめはピューピューいいました。アブドゥッラーは、まどのほうをみました。
りんごのきのえださきが、まどをたたきました。アブドゥッラーは、とてもこわくなっていたので、まどのそとにぶきみなてがあるようにみえました。ほんとうは、ただの、いつつのえだわかれのあるえだだったのに。かわいそうなアブドゥッラー。アブドゥッラーは、ベッドからとびでて、おとうさん、おかあさんのへやへはしっていきました。

(P.26)
あさはやく、アブドゥッラーのおかあさんが、みんなにちょうしょくをつくりました。
「アッサラーム アライクム、みんな。あさごはんをたべましょう。みんな、アブドゥッラーとちょっとおはなししないとね。」おかあさんがいいました。
みながテーブルのまわりにすわりました。つかれきったアブドゥッラーも。
おとうさんがまず、くちをきりました:「アブドゥッラー、おまえは、ゆうかんなときがあるな、アルハムドゥリッラー。」
アブドゥッラーは、ほほえみました。
「だけど、ここのところ、こわいゆめをみているようね。」おかあさんがいいました。
アブドゥッラーは、かおをしかめました。
おじいちゃんがはなしました。
「わしらのゆうかんなアブドゥッラーや。もし、ドゥアーをおぼえて、ねるまえにいったら、わるいゆめをみることはなくなるぞ、インシャーアッラー。」
「ドゥアーはおぼえたの?」おねえちゃんがききました。

(P.27)
「もうちょっとなんだ。がんばっているんだけど。」アブドゥッラーがいいました。
「マーシャーアッラー、それはいいわ。ゆめっていうのはね、そのひ、おこったことがでてくることがおおいのよ。だから、ねこがボールにとびかかってきたときも、ゆめにこわいねこがでてきたでしょう。わかる?」おかあさんがいいました。
アブドゥッラーはにっこりしました。アブドゥッラーは、わかりました。ドゥアーをおぼえなければならないこともわかりました。そのひ、アブドゥッラーはドゥアーをおぼえました。なんて、しあわせで、ゆうかんなおとこのこでしょう。
そのよる、アブドゥッラーは、ねるまえにドゥアーをいいました。
「アッラーフンマ ビスミカ アムートゥ ワ アハヤー。」

(P.28)
すがすがしく、とてもゆうかんになったきぶんで、つぎのひのあさ、アブドゥッラーはとびおきました。アブドゥッラーは、こわいゆめをみませんでした。
アルハムドゥリッラー。アブドゥッラーには、ねるときのドゥアーがやくだったことと、アッラーがいつでもまもってくださることがわかりました。